



著者:ブルーノ・ムナーリ / 訳:八木田宜子 / 出版社:好学社 / 210mm × 210mm / 52P / ハードカバー / 1993年発行第三刷
平面上の表現メディアである絵本に、「奥行き」や「時間」を持ち込んだブルーノ・ムナーリの金字塔。トレーシングペーパーを重ねることにより、霧深い田舎を走るバスに乗ってサーカスへと向かう感覚を読者に提供し、たどり着くと一変カラフルなサーカスが展開されます。サーカス部分にはくり抜きが駆使され、次のページとの関連性を仕掛けとして盛り込み、また再び霧のなかを帰りゆく構成。言語を超え、子どもたちに感覚的に物語を伝える造本は、デザイン性にも優れ、時を超えて愛され続けています。現在はフレーベル館より谷川俊太郎訳のものが刊行されていますが、こちらは日本で最初に翻訳刊行された好学社版(第三刷)。カバーのマットな紙質や、日本語活字の雰囲気など、この版でこその味わいがあります。古書ファンは是非手元に置いておきたい一冊。版元に残っていたデッドストックが限定入荷しました。経年による多少のカバーの痛み、造本上、トレーシングペーパーの微妙な波打ちなどございますが、ご了承の上お買い求めくださいませ。