プロデュース：鈴木慶一 / レーベル：ブリッジ / 8曲入りCDアルバム 『スター・ウォーズ エピソード4』が公開され、『未知との遭遇』が話題を呼んだ1970年代の終わり。スペースオペラ的な壮大さがSFに求められ始めた時代、ルーカスとスピルバーグではなく、レイ・ブラッドベリや「お茶の間で見る矢追純一」的な、SF像を音楽化すべく、鈴木慶一プロデュースによってリリースされたのが本盤。当時最新鋭だった技術を用いた実験的なミキシングを導入しつつ、ブライアン・イーノやプログレ風味をまぶしたムーンライーダーズといった雰囲気の楽曲群がポップ。ライダーズの変名であるバンド名が「宇宙からの物体X」だったり、「HAL9000」や「地球に墜ちてきた記憶」など、タイトルや細部にSF好きをくするぐる目配せも満載。約30年ぶりの自作解説も読み応えあり、鴨沢祐二によるジャケットも素晴らしい。SF小説を読む際のBGMに。