

文:吉田悠軌 / 画:津川智宏 / 発行:とうもろこしの会 / 105mm × 148mm / 112P / ソフトカバー
「無理やり並ばされた行列の先には、黒い箱から笑顔で出て行く人々が見える。」
題名はなし、文章に句点は一つのみ、詩ではなくて物語であり、その中でも怪談に近いもの。以上を踏まえた一続きの文章を「一行怪談」と称し、毎ページ1作品、100以上もの作品を収録した小冊子の第二弾。状況描写が削ぎ落とされているが故に読者の想像力を刺激し、制限があるからこそ書き手の筆致はするどさを増す。怪談としてだけでなく、現代詩的な言葉遊びとしても優れた、読み応え溢れる一冊。