


発行:星羊社 / 150mm × 210mm / 200P / ソフトカバー
「市民酒場」という言葉をご存知でしょうか?戦時中の食糧統制下で酒類を配給する酒場の名称であると同時に、混乱する国内情勢の中、横のつながりを求めた酒場組合を指す言葉でもあり、この呼び名は横浜市内独特のものだったそうです。本書はいまも看板に「市民酒場」と掲げる店をきっかけに、そのルーツや歴史を紐解く一冊。もちろんいまも通える横浜周辺の老舗居酒屋ガイドとして捉えることもできますが、店の背景にある物語が集められた歴史的資料として非常に読み応えあり。当時の、そして現在の酒場の貴重な写真の数々を眺めているだけでうっとり。老舗居酒屋、大衆酒場がブームのようになって久しいですが、もう一歩踏み込みたい人のための酒場研究本。山崎洋子、大谷能生らによる寄稿も読み応えあり。