
著者:小田晶房 / 出版社:駒草出版 / 四六判 / 288P / ソフトカバー
京都の町と共に短いモラトリアム期間を過ごした後、愛憎半ばにして上京、編集者を経て独立、インディーレーベル運営や海外アーティストの招聘に関わり、必要に迫られ、流れ着くようにして作りあげた「場」は渋谷の隅っこのベジ食堂。無関係だったはずの世界経済や、グローバリズム。商売には収まらぬ美意識を根っことした活動。そして苦労続きの家族と生活。独立独歩で生きることは、実はこれほどまでに世の中とつながっていて、同時に孤独でしんどいことでもある。甘い報酬などほとんどない苦労話の連続ながら、同じ生き方を志す人間にはきっと読んで背中を押される気持ちになるはず。