著者:管啓次郎 / 出版社:NOHARA / 128mm × 182mm / 48P / 中綴じソフトカバー
40年以上繰り返し見る夢、犬に噛まれた幼少期の記憶、幼形成熟の犬種、タルコフスキー映画の犬、6頭の異なる犬種を連れ歩いた川端康成、ポール・オースターの『ティンブクトゥ』。詩人であり批評家、管啓次郎氏の個人的な記憶からはじまる、多方面への寄り道が楽しい犬にまつわる随想。19世紀〜20世紀初頭のノスタルジックなステレオグラム写真を配し、万人の記憶を刺激する不思議な力を持った小冊子です。犬を語っているようでその実、人と犬との接合面を語る、つまり人間とは何かを逆照射するささやかな哲学の書。個人的なんだけど普遍的でもある、『馬語手帖』なんかにも似たたたずまい。