


著者:桑原真理子 / 出版社:torch press / 116mm × 175mm / 100P / ソフトカバー
「2017年の11月中旬から12月末までの間、北海道夕張市清水沢に滞在した私は、石炭の玉を求めてひたすら歩いた」
閉山から30年以上が経ち、寂れゆく炭鉱の町。アムステルダム在住のアーティスト桑原真理子がそこで目にした何気ない漆黒の置物。休憩中に暇を持て余していた一部の器用な炭鉱員が、坑内の石炭を細工して作ったオブジェに惹かれた彼女は、町に残るそれらを探し歩きます。元炭鉱員の男性との会話をはさみつつ、とつとつと綴られる黒光りする球体をめぐる物語。「限界芸術」という言葉を連想させる、悲しくも、生命力の込められた創作をめぐる思索。両開きで日英テキストを掲載、中央部に石炭細工のグラビアを掲載。ブックデザインも特異な一冊。