


文・編集:ピストン藤井 / 自費出版 / A4判 / 40P / ソフトカバー
1965年、富山県の国道沿いた開業したドライブイン「日本海食堂」。120人を収容するキャパを持ち、全盛期は24時間営業する名物店となるも、1990年代に入り、バイパスの開通やファミレスの隆盛とともに低迷、経営難を迎える。ところが21世紀を迎え、二代目店主に就任した「アニマル種口」こと長男の茂の過剰なサービス精神と破天荒なセンスが店を珍スポットへと昇華し、地元民の憩いの場として穏やかに狂おしく営業を続けるも、コロナの影響で2020年閉店。本書は、東京からUターンした際に、そのズルムケた佇まいと、包容力に「覚醒させられた」ライターピストン藤井が、愛情とリスペクトをもって編纂した、破天荒な食堂のすべて。クレイジーな店を見送るのに涙は似合わない。徹頭徹尾笑って振り返ることのできる場所がある地元の豊かさよ。