著者:平松洋子・姜尚美 / 出版社:淡交社 / 四六判 / 215P / ソフトカバー
東京在住の平松洋子と、京都在住の姜尚美。食にまつわる風景を得意とする二人の書き手が往復書簡の形式でお互いに紹介しあう「遺したい味」。「美味しい店」でも「好きな店」でもなく「遺したい」店や味を選ぶ基準とはなにか。結果的に二人が選んでいるのは、先人が愛し、遺してくれた食文化の数々。明治から受け継がれた蕎麦文化に対して、花街で愛され続ける変わらぬうどんの味を、梅雨時期のどじょうに対して、夏に食べる温やっこを紹介する掛け合いも楽しい。それぞれの町に住む書き手にとっての「生活に組み込まれた味」を読み、あなたにとっての遺したい味に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。