





著者:秋山あい / 自費出版 / 142mm × 100mm / 180P / ハードカバー
年齢、生息地、職業を定め、調査・取材・ドローイングし、それらの採集データの分類・解析した『パンティオロジー』でおなじみ、アーティスト秋山あいの自費出版による新作は、街場で遭遇した人々の会話や佇まいをこっそり横目で盗み見てスケッチした手帳をそのまま掲載した、未整理の考現学。
野毛の立呑み店、パリのカフェ、京都の喫茶店にスペインの朝のテラス。居酒屋や喫茶店、ファミレスや電車内で遭遇するごく普通だけど、捉えようによってはドラマチックな瞬間を見逃すことなくキャッチするために持ち歩く名刺サイズの小さな手帳。日常を非日常へとチューニングし、街の雑踏にかき消されてしまいがちなふとした瞬間をその場で描くスパイ活動の成果。22世紀の未来から振り返れば、大衆酒場のボヤキが、渋谷のカフェでのひそひそ話が、インターネット上の膨大な独白よりもこの時代を的確に表す資料として重宝されるかも。
横長ポケットサイズ、箔押しのカバーと造本もユニーク。