

著者:田中忠三郎 / 出版社:アミューズエディテイメント / 122mm × 195mm / 200P / ハードカバー
「今、私が問いたいのは、近世がそのような人間臭い行為をひたすら封じこめてきて、いったい我々は何を得たのかということである。人間本来の、縄文人的な、もっと人間らしくおおらからな気持ちで生きていけば、このギスギスした世の中も少しは行きやすくなるのではないか、ということなのである。」(本文より)
下北半島において、民具や古い着物などの蒐集を通じて、生と死、性と俗を考えた市井の巨人、田中忠三郎。世界的に評価を浴びるボロ着のコレクションのみならず、厚司(アツシ)という着物から下北半島とアイヌの関係を考察し、新生児を包み、守る継ぎ接ぎされた「ボド」から家族の絆を考える。盆踊り、夜這い、夜酒盛のような途絶えつつある風習に、囲炉裏にドンジャなど、東北の厳しい寒さの中での暮らしを象徴する物。ここで綴られることは、民藝ではなく民俗学、骨董ではなく限界芸術。世界を巡回したコレクションブック"BORO"とあわせてどうぞ。