著者:ジョン・ウォーターズ / 出版社:国書刊行会 / 140mm × 218mm / 384P / ハードカバー
誰よりもヒッチハイク・キラーに精通するバッドテイストの帝王、ジョン・ウォーターズが、65歳にしてアメリカ横断のヒッチハイクに挑む。出版社に前金を貰い、書籍化を前提に旅のプランを練る彼は、事前に「最高の旅」、「最低の旅」という2パターンの妄想の旅を綴りました。
ジョン・ウォーターズに綴らせれば、最高でも最低でも等しく悪趣味。ドラッグ、殺人鬼、奇人変人への偏愛と、そしてシネフィルぶりを見せつけてくれる幅広い映画からの引用は、ドリームランド作品の新作と等しいクオリティ。お下劣でバカバカしく、読者を下品のどん底に叩き落す二つのフィクションを経てつづられる「現実の旅」でまさかしんみりさせられるとは!!!
リベラルである意味スノッブな男が、おそるおそる、諧謔混じりに直に触れた「普通のアメリカ」。アメリカン・ロードノベルの系譜に位置づけられる奇書の誕生です。