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写真:潮田登久子 / 出版社:torch press / A4版変型 / 122P+76P / 2冊組ハードカバー+ソフトカバー
1979年の初め、豪徳寺の古びた洋館に引っ越した写真家・潮田登久子は、幼い娘と夫との3人ぐらしの様子を日々撮影していました。ときに、同じ写真家でもある夫にもレンズを向けながら、平凡な家族写真には終わらぬ細やかな視線で生活の細部を記録しています。約40年間、埋もれたまま人目に触れることのなかったそれら写真が6×6によるBook 1と、35mmによるBook 2の2冊組の写真集となりました。
自身も含む同じ被写体を夫婦で共有し撮影すること。家庭にカメラを向けながらも無人のカットが最も多いこと。当時としてもアナクロな、時代を超越した暮らしぶりから垣間見る家庭生活の普遍性。家族にまつわるあれこれに思いを巡らせる契機となる、静かな佇まいの一冊。
寄稿:長島有里枝、光田ゆり