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編集・発行・構成:川上幸之介 / 150mm × 210mm / 94P / ソフトカバー
スリーコード、鋲ジャン、モッシュというパブリック・イメージとともに、一音楽ジャンルとしてステレオタイプ化したパンクを、カール・クラウスの演説までさかのぼり、ダダやシチュアシオニストの系譜に位置づけ、現代へと接続する試み。
ピストルズやクラッシュ、ラモーンズら、いわゆるパンクバンドの代表的存在が資本へと回収されていったことに反し、サッチャー政権から原発までを批判し続けたクラスや、ZINEカルチャーからフェミニズム運動を展開したライオット・ガール、アフロ・アメリカンによるアフロパンクと、社会運動としてのパンクムーブメントを一本の線でつなぎ、『ブルシット・ジョブ』でおなじみ人類学者のデヴィッド・グレーバーまで補助線を引く。
キーワード解説テキストをメインに、巻末には小倉利丸、杉田敦による寄稿、デヴィッド・グレーバーによるカンファレンス・レビュー「ポスト労働者主義の悲哀」を翻訳掲載。パンク観を修正し、DIY、インディペンデント、クリイティヴィティを個人の手に取り戻す武器として与えてくれる一冊です。
編集、発行者である倉敷芸術科学大学の川上幸之介ゼミの一環として2021年から22年にかけて展開された展覧会にあわせたカタログ本。もちろんDIYな作りのパンキッシュなブックレット。