編集:池谷和信 / 出版社:平凡社 / 152mm × 210mm / 286P / ソフトカバー
「冬子フチが大叔母からタマサイ(首飾り)を受け継いだのは、冬子フチが20代後半のころで、大叔母には子どもがいなかったことから、タマサイは冬子フチに託されたと私は聞いています。冬子フチは、大叔母から継いだタマサイを風呂敷に包み、大切に箪笥にしまっていました」(本文より)
アイヌのビーズを正面にすえて、考古・歴史・民俗と多面的なアプローチをした本書。交易品であるビーズは、同時に稀少であることから社会階層が見え、またアイヌ民族のアイデンティティにも関わっています。個々の玉に思いを込めて、母から娘へ継承されてきた側面をもつアイヌのビーズ。約2万年前から現代まで輝き続ける美しいビーズを美しい図版とともに堪能できる一冊です。