著者:青木海青子 / 出版社:夕書房 / 四六変型 / 184ページ / ソフトカバー
「「読む」ことは、ひとりぼっちでなされなくてもいいのです。私たちが閉じていた個人の書架を開き、そこに他人を呼び込んで問題意識を共有したように、共に読むという行為は、共に考え、社会を一緒に構築していく、一つの呼び水になるのではないでしょうか」
当店のロングセラー『彼岸の図書館』『山學ノート』の著者、青木海青子と青木真兵。奈良県吉野郡東吉野村にある自宅を「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」として外に開き、彼ら自身がキュレーターと司書(館長は長毛猫の「かぼす」、主任は中型犬の「おくら」)を務め、訪れる人々と「本を真ん中にして」関わっています。本書で綴られるエッセイ、答えに本が選ばれるお悩み相談、本に助けられた話を読めば、まるでルチャ・リブロに訪れて対話をしているかのよう。使われている書影に付箋が貼ってある感じも私設図書館らしくて最高です。川のせせらぎを聴きながらゆっくり読みたい一冊。