著者:鈴木英人 / 出版社:六耀社 / 240mm × 308mm / 86P / ハードカバー / 1988年発行 / 古書
「アミューズメントな50年代のアメリカの町並みは、少しずつ消えて行く。しかし頑固な人々も多くいるようだ。頑固は美徳だと言うことが、その人々の生活コストそのものなのだろう。」(帯文より)
1980年代の日本において、1950年代アメリカへの懐古趣味を、手癖を排したドライで未来的なタッチで描いたイラストレーター鈴木英人。本書は都市の看板、郊外の日差し、モーテルの上の真っ青な空など、幻想のアメリカを描いたフルカラー大判画集。
巻頭に、中原佑介をはじめとするアート畑の批評家たちが、しっかりとしたボリュームで英人論を寄せているのも、あらたな文脈を垣間見るようで面白い。過去と未来、刹那的消費と失われていくものへのノスタルジー、分裂したアイデンティティを兼ね備えた孤高の作家。シティポップブームでその名に出会った方も、より深くその世界観を識るために最適な一冊。
帯付き、特に目立ったダメージなく良い状態です。