
著者:赤染晶子 / 出版社:palmbooks / 130mm × 180mm / 202P / ソフトカバー
「あの時のホームシックでわたしは小説を書いている。京都の『影』がわたしは好きである」
世界への防衛線でも、生きづらさの表れでもなく、天性の資質として身にまとった、ユーモアと空想というフィルター越しに眺めた平凡な日常。おっちゃん、おばちゃん、子どもたち。少しも特別なところのない身の回りの人々の、見過ごされがちな言葉や時間を鮮やかに切り取ることで、世界を肯定的に捉えられるような、鋭くもあたたかな筆致。『乙女の密告』で2010年の芥川賞を受賞しながらも42歳の若さで夭折した、京都出身の作家赤染晶子の没後編まれた初エッセイ集が、あらたなひとり出版社palmbooksより届きました。