編著者:辻本侑生、島村恭則 / 出版社:実生社 / 188mm × 128mm / 162P / ソフトカバー
LGBTと呼ばれる人びとの「日常的で微細な営み」を民俗学の視点から捉える論考集。現代における「同性愛」と前近代にみられた「男色」の相違や「男巫女」の存在から、民俗学者たちが断続的に関心を寄せてきた、特定の地域のジェンダー・セクシュアリティの在り方を模索する「日本民俗学クィア研究史」、南方熊楠と、厖大な同性愛史「本朝男色考」の著者岩田準一との10年に渡る600通越えの書簡が、柳田國男らの「主流」の民俗学に包摂されない実践であったことの再考「南方熊楠と岩田準一の「男色談義」」、ディープ・フォークロアへの着目について、クィア・アーティストを事例に紹介した書籍からアメリカ民俗学の現在を考えるコラムなど。「アカデミック」な枠組を超え、新たな民俗学を切り拓く一冊。