著者:飴屋法水 / 発行:palmbooks / A5変型判 / 144P / ハードカバー
「髪の毛を燃やせば、爪を燃やせば、たんぱく質の匂いがする。人の全部を丸ごと燃やせば、どれほどの匂いが立ち込めるのか、火葬場の煙突はだからあんなに高いのか、一度に何十何百という人間の肉、その大量のたんぱく質」(本文より)
「生」の根源を見つめながら演劇、現代アート、文筆を中心にクロスジャンルに活動してきた著者によって7年ぶりに書かれた小説。原子レベルでは同じ物質で出来ている植物と動物、という素朴な視点を出発点とし、科学や思想を投げ捨てて、言葉によって世界の深淵に迫る。写真は志賀理江子。縦開き、2色カラー刷。