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著者:木村肇 / 出版社:THREE BOOKS / 155mm × 215mm / 148P / ハードカバー
「家族とはいえ百パーセント同じ考え方ではないじゃないですか。全然違ったりしますし。自分は母親が言うことを本気で信用していたのはカルト的なイメージがあるのかなって思うんですけどね。でも、最初に物心ついた時に、何かを信用しなきゃいけないってなったら、それがぼくの場合母親だったんですけど、だんだんそのイメージが崩れていくというか、瓦解していくような状況があって」
抑圧的な母親、その母に暴力を振るう父。家庭内で鬱屈とした気持ちを抱えつつも、反発やドロップアウト以前に両親を亡くしたことから、その存在を隠蔽することで折り合ってきた写真家 木村肇。母の死から時を経て家族と向き合い制作された写真集。
家族アルバムからの引用、ぼんやりとした住居や近所の風景、まるで幽霊のようにおぼろげな存在感のポートレイト。希薄でありながら、向き合わなければならなかった関係から、誰も語りたがらなかった「家族」の形が陰画のように浮かび上がります。
写真家、吉田亮人と鈴木萌によるインディペンデント・パブリッシャーTHREE BOOKSより。