new


著者:辻山良雄 / 出版社:朝日出版社 / 四六判 / 358P / ソフトカバー
「みな長年この仕事を続け、その人オリジナルの仕事をつくり上げている人たちですから、話には自然と思想や哲学のようなものが含まれます。だからわたしはこの本で、彼らの声を一本の糸のように撚り合わせるだけでよかった」(はじめにより)
本屋の仕事を取材した本は数あれど、本書の著者は東京荻窪で本屋Titleを経営する現役の個人書店主である辻山良雄。同業だからこそ、取材対象の書店主たちは、当たり前のこと、大前提をすっ飛ばした、突っ込んだ話を口々に披露します。絶滅寸前かつ独立独歩のスモールビジネス。つまり21世紀の街に生きる私立探偵たちの、スピリットやボヤキ、「行きがかり上」をリラックスしたトーンでお楽しみください。無性に何かはじめたくなったり、何かを辞めたくなったり。読後感は読む人の状況、立場によってそれぞれでしょうが、「本屋本」をはみ出す何かが胸に迫る一冊です。
◯登場する本屋さんたち
走る本屋さん 高久書店・高木久直さん (静岡)
市場の古本屋ウララ・宇田智子さん (沖縄)
長谷川書店・長谷川稔さん (大阪)
誠光社・堀部篤史さん (京都)
ON READING・黒田義孝さん、杏子さん (名古屋)
ブック・コーディネーター・内沼晋太郎さん (長野/東京・下北沢)
定有堂書店・奈良敏行さん (鳥取)
北書店・佐藤雄一さん (新潟)