
著者:三宅香帆 / 出版社:PLANETS / 188mm × 127mm / 224P / ハードカバー
『人生を狂わす名著50』『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者による「母殺し」をめぐる文芸案内。
山岸凉子が描く身体の細いキャラクターと少女性やミソジニーとの関係、母への気持ち悪さを表現した川上未映子『乳と卵』と「母殺し」の欲望をはじめて描いた藤野可織『爪と目』から見える「母殺し」の困難さ、娘による母のケアの構図が再生産されていく原因を、夫の家庭からの逃走としたコナリミサト『凪のお暇』、苦しむ母娘の関係に他者を入れることで新たな関係を構築しようとするキム・ヘジン『娘について』など。
90年代の漫画や小説から、数年前のドラマやアニメ映画まで、当時の一般的な家庭環境と作品に描かれてきた社会背景をも的確に抑えながら、娘たちが自分の人生を生きるための「母殺し」モデルを検討します。