テキスト・写真:山上新平 / 文章:幅允孝 / 出版社:bookshop M / 171mm × 228mm / 200P / クロス装ハードカバー
「カメラを手に山へと分け入り、そこにある木々を凝視して写真を撮る。崖の上から、海に打ち寄せる波の表情を捉えて写真を撮る。 山上にとって、それが世界と触れあう唯一の手段だった。ある日、山上の手に傷ついた蝶が止まった。その蝶は、傷を負っても飛ぼうとした。その日から山上は、蝶の写真を撮りはじめた。またたく命は、山上にとって世界と自分とを繋ぐよりしろとなった。」
2022年、デザイナーの皆川明(ミナペルホネン)発行による初めての写真集『Helix』を刊行、そのキャリアの最初期から彼の写真を見続けてきた町口覚によるBookshop Mから出版された本写真集は、その構成、造本、そして何より写真そのものの力により、早くも話題を呼んでいます。
蝶の翅の鱗粉がページを捲る指先に付着するようなイメージの印刷。その印刷(印圧)に耐えながらも、厚さと軽さを兼ね備えた紙。そして、その紙を糸で縢り束ね、丸背の布クロス(フナオカキャンバスの生地)上製本。写真家と、発行人との緻密なコラボレーションをお楽しみください。