著者:朴沙羅 / 出版社:筑摩書房 / 127mm × 188mm / 336P / ソフトカバー
「私は、フィンランドを理想郷だと信じる人々も、日本を理想郷だと信じる人々も、どちらも日本もフィンランドにも、大して興味はないのではないかと疑っている」(「おわりに」より)
子どもたち二人とヘルシンキへ移住した社会学者による現地レポート『ヘルシンキ 生活の練習』の続編。
前作が出版された頃に比べ、フィンランドでの「地味すぎる」楽しみを学べるようになったという著者。職場である大学とその学生の様子やご近所との付き合い、子どもたちの生活の様子、そしてフィンランド居住者として経験するロシアのウクライナ侵攻について。現地で見て、聞いたことを、社会学的な視点を交えながら、丁寧にそしてユーモラスに伝えてくれます。
「多様なのが普通」に思えるフィンランドの社会を成立させているものは一体何なのか?日本では当たり前だと思わされていたことが、当たり前でなかったと、著者が「これが「ガチの多様性」」だと実感していく過程を知ることで、考えが変わる一冊。