制作・発行：玉置標本 / B6サイズ / 192P / ソフトカバー 「茹でなおすことで美しい麺肌が復活したふわっふわの極太麺を噛みしめれば、干したての羽毛布団に体を預けるような気持ちよさで私の歯が沈み込む。これぞ驚異の低反発うどん。さぬきうどんや武蔵野うどんよりも圧倒的に太いのに、その太さをあえて歯ごたえではなく圧倒的な柔軟性に生かすという伊勢人の心意気」（「スーパーで麺とタレを買って作る伊勢うどん」より） 出張先のビジネスホテルに調理道具をこっそり持ち込み、各地の名産品を料理して食べる短編小説。釣りや捕食、製麺、家庭菜園、料理など幅広い趣味を持ちながら執筆活動を行うフリーライターの玉置標本の実体験がベースなので、「海岸で捕まえて作るホタルイカの釜揚げ」「魚屋が教えるホヤを好きになるフルコース」など、一風変わった食材のベストな食べ方は、一度やってみたくなること間違いなし。 挿絵にはおなじみのスケラッコ、鶴谷香央理、ラズウェル細木、犬ん子などそうそうたるメンバー。それぞれの短篇で年齢・性別がばらばらの主人公が描かれているのも面白いところ。 「孤独のグルメ」のごとく、心の中の独り言がうるさいタイプの、さらにはダジャレも満載の痛快グルメ小説です。