




著者:ライナー・チムニク / 出版社:福音館書店 / 186mm × 265mm / 104P / ケース入りハードカバー / 1969年発行 / 古書
「クレーンオトコは、朝、七時のサイレンをならそうとして、クレーンが海のなかに立っているのに、きがついた。町のあったところ、川やはたけのあっとところは、いまや海だった。目のとどくかぎり、ふかい、しおからい海だった」
高い鉄塔の上に住まい、日々クレーンを整備、サイレンを鳴らし、淡々と暮らしを続ける男。町が発展し、戦争が起こり、町が海に沈み、そしてまた町が生まれる。そんな歳月を、ワシやジャガイモ畑の主人など、数少ない友と過ごす日々を、幻想的に、ユーモラスに、軽快なイラストとともに描いた児童文学の傑作。のちに「クレーン男」と改題し、読みつがれる矢川澄子による名訳の初版。ケース入りの造本も素朴で美しい。
背表紙上部に一部傷み、ほか特に目立ったダメージなし。