new





著者:David Silver / 出版社:ATELIER ÉDITIONS / 178mm × 235mm / 240P / ソフトカバー
1930年代、大不況下のアメリカ、アパラチア山脈の麓に開校した、ブラックマウンテンカレッジという名のリベラルアーツスクール。バウハウス人脈が教鞭をとったことや、サマースクールでのバックミンスター・フラー、ジョン・ケージらの授業が語りぐさとなっていますが、その実はヂューイの教育思想に影響を受けた、ユートピア思想を根っこに持つ共同体志向であり、農業、園芸、工芸を重んじる経験主義的教育が根幹になっていました。
本書はそんなBMCの「忘れられた根幹」である農場での実践にスポットを当てた一冊。グロピウスの設計案が却下され、エデン湖校舎は学生たちと教員の協働によりセルフビルドされることになります。有機農法が実践された農場での作業、杜撰な学校運営、差し押さえの危機。そんな中で奮闘したルース・アサワら知られざるBMC関係者らにもスポットを充てた充実の内容。テキスト中心の研究書ですが図版も満載、部分的にでも読むことで同校の真の姿が浮かび上がるはずです。