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著者:津島佑子 / 出版社:講談社 / 文庫版 / 298P
「しかし、ひとつだけこの私にもわかっていることがある。それは、文学のなかに描かれている少女たちのうち、心から共感できる少女はさほど多くはなかったということ」(プロローグ)
納得できる「少女」を探し求めて積み重ねてきた作家の読書歴。自身と少女性の距離感を巡る長いプロローグに始まり、ゲーテ『若きウェルテルの悩み』のロッテから、カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』のミックまで、古今東西の物語に描かれた20以上の少女たちを紹介する、少女論であり、私的なブックガイドとしても読める一冊。講談社文芸文庫からの復刊に際して、作家、井戸川射子による力のこもった12ページの解説を収録。